
アルコール依存症とは
アルコール依存症は脳の病気
「アルコール依存症」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持たれますか?
本人の意志の強さや性格は関係ありません。
お酒の飲み方が自分ではコントロール(飲む量・タイミングなど)できない。自分の身体にも家族や周りの人にも悪影響を及ぼしてしまいます。
お酒によって脳に異常が起きお酒を飲むことが自分の意志では止められなくなります。
「酒は百薬の長」なんて言葉もありますが、適切な量で止めておかなければ麻薬や覚醒剤などの危険ドラッグと同一のような依存性の高い危険なものになってしまいます。
老若男女問わず長時間、大量に飲酒を続けると誰でもアルコール依存症になる可能性があるのです。
ちょっとしたストレスから家事の途中や夜寝る前にお酒を飲み、それが習慣化して気づいたら四六時中お酒のことが頭から離れなくなりアルコール依存症に、、、なんてこともあります。
前記したものは極端な例かもしれませんが、みなさんが思っているよりも身近な病気で、誰でも発症する可能性のある病気です。
必ず、医療機関での治療を受診してください。
“人が変わる”アルコール依存症
「アルコール依存症は脳の病気です。」でも記載した通りアルコール依存症はどんな方でも発症する可能性のある病気です。
ほろ酔い気分が気持ちいいから、ストレス発散のために、、色々な理由で飲酒が習慣化しアルコール耐性ができることによって飲酒量も増えていき依存症に繋がるリスクが高まります。
アルコール依存症の患者様に多いのは、「病気を自覚されていない」ということです。
そのため医療機関に係ることが遅くなってしまったり、病院まで来れないといったケースもあります。
自分の変化に気づくことができていない患者様がどんな症状に悩まされているか見ていきましょう。
アルコール依存症の症状でよく挙げられるものは3点あります。
アルコール依存症の症状
お酒がやめられない・ダメなこととわかっていても飲んでしまう・場所や状況関係なく飲酒をする
目を覚ますと飲み、酔うと寝て起きるとまた飲むを繰り返す(連続飲酒)
アルコール濃度が低くなった時に現れる離脱症状2種
- 早期離脱症状
- 後期離脱症状
早期離脱症状
イライラする・手や足など全身の震え・発汗・動悸やめまい・不眠・吐き気・幻覚・幻聴など
後期離脱症状
- 幻視(見えるはずのないものが見える)
- 見当識障害(自分のいる場所や時間がわからなくなる)・発熱・発汗など
離脱症状はアルコール濃度が低くなることで現れます。
そのため不快感から逃げるためにさらに飲酒を繰り返し「お酒を飲めば症状は治る」、また、アルコール依存症になると自分に都合よく解釈するようになるため自覚することなく負のサイクルは回り続け症状は悪化してしまうようになるのです。
アルコール依存症の治療について
ステップ1
まず、病気としての理解、治療への動機
ステップ2
離脱症状に対処するため、断酒を目的として治療を開始します。それと併行、あるいは引き続いて身体および精神症状を改善するための治療を進めます。
ステップ3
離脱症状などの症状が回復した後、断酒に向けての本格的な取り組みを開始します。アルコール依存症に対する正しい知識を提供して飲酒問題の現実認識を促し、生活上の問題点解決に向けて支援します。広範かつ長期的な視野に立ち、家族を含めた依存そのものに対する治療を進めていきます。
ステップ4
再飲酒時の対処法と予防、家庭内問題への対処などに着眼し、断酒の継続と共にストレス対処行動の獲得、家族の回復(家族教室への参加)。生活の安定化などを目指します。
自助グループへの参加
例会やミーティングに参加し自分の酒害を語ったり、人の体験を聞いたりします。自分を見つめ直すとともに同じ病気の仲間ができ断酒継続の支えとなります。
